「転職では何社くらい受けるもの?」
これから転職活動を始めるとき、応募社数は悩みやすいポイントです。
1社ずつ慎重に受けるべきなのか、最初から複数社に応募するべきなのか。すでに数社へ応募している場合も、「自分は少なすぎるのでは?」と不安になることがあります。
結論からいうと、転職で受けるべき社数に決まった正解はありません。
参考になる最新データとして、dodaエージェントサービスを利用して2025年4月〜2026年3月に内定を得た人の平均応募社数は31.9社でした。94.9%が2社以上に応募し、66.4%が11社以上に応募しています。doda
ただし、31.9社を「転職するなら31.9社応募すべき」という意味で受け取るのは適切ではありません。
大切なのは、
- 転職理由
- 希望条件
- 経験やスキル
- 年代
- 在職中か離職中か
- 求人とのマッチ度
- 書類・面接の通過率
- 転職活動に使える時間
などを踏まえて、自分にとって無理のない応募ペースを決めることです。
また、「応募した社数」と「同時に選考を進めている社数」は別物です。
この記事では平均応募社数だけを紹介するのではなく、数字の読み方から、同時進行の考え方、選考通過率、年代や状況別の考え方まで整理します。
最終的には「平均○社だから自分も○社」ではなく、自分の状況なら何社程度に応募し、何社を同時進行させるかを判断できる状態を目指します。
転職では何社受ける?平均応募社数は「31.9社」
まず気になるのが、「実際に転職した人は何社くらい応募しているのか」という点でしょう。
最新データでは、dodaを利用して転職に成功した人の平均応募社数は31.9社でした。
ただし、この数字には重要な前提があります。
最新調査では転職成功者の平均応募社数は31.9社
dodaによると、2025年4月〜2026年3月の1年間にdodaエージェントサービスを利用して内定を得た人の平均応募社数は31.9社でした。doda
ここで注意したいのは、この数字が「日本の転職者全体」の平均ではないことです。
対象は、
dodaエージェントサービスを利用し、実際に内定を得た人
です。
つまり、転職活動をしたものの途中で中止した人や、別の方法で転職した人などは、この数字の母集団とは異なります。
そのため、31.9社という数字は、
「転職成功者の応募行動を知るための参考値」
として見るのが適切です。
「31.9社応募しなければ内定が取れない」という意味ではありません。
むしろ、このデータから読み取れるのは、転職では1社だけに絞らず、複数の求人へ応募する人が多いということです。
94.9%が2社以上、66.4%が11社以上に応募
同じ調査では、94.9%の人が2社以上に応募していました。
さらに、66.4%が11社以上に応募しています。doda
つまり、転職成功者の多くは「第一志望の1社だけに応募して結果を待つ」という進め方ではありません。
複数社へ応募し、選考結果を見ながら転職活動を進めています。
この背景には、応募した企業がすべて面接や内定まで進むわけではないという事情があります。
たとえば10社に応募しても、
- 書類選考で不採用になる
- 書類は通るが面接で不採用になる
- 最終面接まで進む
- 内定を得る
というように、企業ごとに結果が分かれます。
そのため、最初から1社に絞るよりも、複数社へ応募して選考状況を見ながら調整するほうが、転職活動を進めやすいケースがあります。
「31.9社」は全員が目指すべき数字ではない
31.9社という数字を見て、
「そんなに応募しないといけないの?」
と感じる人もいるでしょう。
しかし、31.9社を応募目標にする必要はありません。
たとえば、特定の専門職で経験やスキルが求人要件と強く一致している人と、未経験分野への転職を目指している人では、応募できる求人や選考通過率が異なります。
希望条件によっても変わります。
勤務地、年収、仕事内容、休日、働き方などの条件を厳しく設定すれば、そもそも応募候補となる求人が少なくなることがあります。
一方で、ある程度条件の幅を持たせて求人を探せる場合は、応募候補を増やしやすくなります。
したがって、
平均応募社数=自分が応募すべき社数
ではありません。
平均値は、自分の転職活動を考えるときの「ものさしの一つ」として使いましょう。
平均応募社数だけでは自分の適正な応募数は決められない
自分の応募数を決めるときは、平均値よりも現在の選考状況を見ることが重要です。
たとえば、
- 10社応募して書類通過が0社
- 10社応募して5社が面接へ進んでいる
- 20社応募して複数社が最終面接まで進んでいる
この3人では、同じ「20社応募」という数字でも状況がまったく違います。
特に重要なのが選考通過率です。
応募数を増やすべきなのか、応募書類を見直すべきなのか、面接対策を改善すべきなのか。
その判断は、応募社数だけではできません。
だからこそ、転職活動では「何社応募したか」だけでなく、
どこまで選考が進んでいるか
を確認しながら次の応募を決める必要があります。
なぜ調査によって「平均何社」の数字が違うの?
「転職は平均○社」という数字を調べると、調査によって異なる数字が見つかることがあります。
これは、必ずしもどちらかの調査が間違っているということではありません。
調査対象者が違う
まず確認したいのが、誰を対象にした調査なのかです。
今回のdodaの31.9社は、dodaエージェントサービスを利用して内定を得た人が対象です。doda
一方、別の調査では、
- 転職活動中の人
- 転職経験者
- 転職サイト利用者
- 転職エージェント利用者
- 特定年代の人
など、対象者が異なることがあります。
対象者が変われば、平均応募社数も変わります。
たとえば「転職に成功した人」だけを対象にする場合、応募を続けた結果として内定まで到達した人の行動が集計されます。
一方、「現在転職活動をしている人」を対象にした調査では、まだ応募途中の人も含まれます。
数字を比較するときは、平均値そのものより、誰の平均なのかを確認しましょう。
「転職活動者」と「転職成功者」では数字が変わる
転職活動をしている人と、転職に成功した人では、同じ「転職者」でも状況が違います。
たとえば、転職活動を始めてすぐに希望企業から内定を得た人は、応募社数が少なくなる可能性があります。
反対に、複数社の選考を受けながら内定先を決めた人は、応募社数が多くなることがあります。
そのため、
「転職成功者の平均応募社数」
と
「転職活動者が現在応募している平均社数」
は同じ数字にはなりません。
31.9社も「内定を得た人が転職活動開始から内定までに応募した求人の平均」です。
この前提を外して数字だけを見ると、「転職には31.9社必要」という誤解につながります。
転職サイト・転職エージェントによって利用者層が違う
利用しているサービスによっても、集まる人は変わります。
転職エージェントを利用する人の中には、
- キャリア相談をしたい人
- 非公開求人を含めて探したい人
- 忙しく求人を探す時間が少ない人
- 転職活動を本格的に進めている人
などがいます。
一方、転職サイトを中心に利用する人は、自分のペースで求人を探し、応募するケースもあります。
この違いが応募行動にも影響する可能性があります。
そのため、調査結果を見るときは「どのサービスの利用者なのか」まで確認することが大切です。
「応募」の定義や集計期間にも違いがある
「応募社数」という言葉も、調査によって意味が完全に同じとは限りません。
たとえば、
- 転職活動を始めてからの累計
- 一定期間内の応募数
- 現在選考中の企業数
- 転職成功までに応募した企業数
では数字の意味が違います。
今回のdodaの31.9社は、2025年4月〜2026年3月にdodaエージェントサービスを利用して内定を得た人について、転職活動を始めてから内定までに応募した求人の数を集計したものです。doda
「今、何社選考中なのか」という数字とは別物です。
平均値だけでなく中央値や応募社数の分布も確認する
平均値を見るときは、「その数字がどのように作られているか」も意識しましょう。
たとえば、10人の応募社数が、
1、2、3、4、5、6、7、8、9、100社
だった場合、平均は14.5社になります。
しかし、14.5社が「一般的な人の応募数」という感覚とはかけ離れています。
このように、一部の応募数が非常に多い人がいると、平均値は大きく動きます。
そのため、応募社数について考えるときは、
平均値だけでなく、分布や中央値、調査対象者の条件も確認する
ことが重要です。
今回の31.9社についても、「自分も31.9社応募しなければ」と考えるのではなく、「複数社へ応募する転職者が多い」という情報として活用するとよいでしょう。
「応募社数」と「同時進行する社数」は分けて考える
転職活動で意外と混同しやすいのが、「応募した企業の数」と「現在選考中の企業の数」です。
この2つは分けて考えましょう。
転職活動でいう応募社数とは
応募社数とは、基本的に転職活動の中で求人へ応募した企業の数です。
たとえば、
- A社に応募
- B社に応募
- C社に応募
- D社に応募
と4社へ応募すれば、応募社数は4社です。
その後、A社とB社の書類選考に落ち、C社だけ面接へ進んだ場合でも、応募した事実が消えるわけではありません。
つまり応募社数は、これまでの応募行動を振り返るための数字です。
同時に選考を進める社数とは
一方、同時進行社数は、現在選考が進んでいる企業の数です。
たとえば、
- A社:一次面接予定
- B社:書類選考中
- C社:二次面接予定
- D社:書類選考で不合格
なら、現在選考が進んでいるのはA・B・Cの3社と考えられます。
この数字は、今後どれくらい選考対策やスケジュール管理が必要なのかを見るために使います。
10社応募しても10社すべてが同時進行するわけではない
「10社応募すると10社の面接対策をしなければならない」と考える必要はありません。
実際には、応募後に書類選考があり、その段階で企業ごとに結果が分かれます。
そのため、
応募は広めに行い、選考が進んだ企業に合わせて準備を深める
という進め方もできます。
これは複数応募をするときの重要な考え方です。
すべての企業について最初から同じ深さで準備するのではなく、選考段階に応じて時間を配分します。
同時進行が多すぎると選考対策の質が下がる
一方で、同時進行する企業が多すぎると、管理が難しくなります。
たとえば10社で面接が続けば、
- 企業研究
- 志望動機
- 自己PR
- 面接練習
- 面接日程の調整
- 選考結果の確認
などを同時に進めなければなりません。
特に在職中の場合は、仕事をしながら準備する必要があります。
応募数を増やすこと自体が目的になると、企業ごとの準備が浅くなり、かえって転職活動の質を下げる可能性があります。
応募は広く、選考対策は重点的に考える
そこで意識したいのが、
「応募の幅」と「準備の深さ」を分ける
という考え方です。
応募段階では、自分の条件に合う求人をある程度広く検討します。
そして書類選考を通過した企業について、
- なぜ応募したのか
- 企業の特徴は何か
- 自分の経験をどう活かせるか
- 転職理由と矛盾しないか
- 入社後に何をしたいか
などを具体的に整理します。
こうすれば、応募社数を増やしながら、すべての企業に同じだけ時間を使う必要はありません。
転職活動では、応募数を増やすことと、選考対策を雑にすることは別問題です。
「何社応募するか」だけでなく、「何社ならきちんと管理できるか」まで考えておきましょう。
何社受ければ内定につながる?書類・面接の通過率から考える
「結局、何社応募すれば内定が取れるの?」
これは転職活動を始める人が特に気になるところです。
ただし、内定までの通過率は企業・職種・経験などによって変わるため、「○社応募すれば必ず内定」という数字はありません。
そのうえで、複数応募が必要になる理由を選考の流れから考えてみましょう。
応募から内定までには複数の選考段階がある
転職の選考では、一般的に、
応募 → 書類選考 → 一次面接 → 二次面接・最終面接 → 内定
という複数の段階があります。
すべての応募が面接まで進むわけではありません。
さらに、面接まで進んでも、その後の選考で不合格になることがあります。
つまり、応募社数と内定社数は1対1ではありません。
「1社応募すれば1社の内定候補になる」と単純に考えるのではなく、選考段階を一つずつ通過していく必要があります。
書類選考を通過する企業数を考える
最初に考えたいのが書類選考です。
たとえば10社に応募して、書類選考を通過する企業が2社なら、面接まで進むのは2社です。
一方、10社中5社が書類選考を通過するなら、面接の選択肢は5社になります。
この違いは大きいでしょう。
そのため、応募数を増やすかどうかを判断するときは、
「何社応募したか」だけでなく「何社書類を通過したか」
を見ることが重要です。
一次面接から次の選考へ進む企業数を考える
面接に進んでも、すべての企業が最終面接や内定まで進むわけではありません。
たとえば5社の面接を受けて、1社が最終面接へ進むケースもあります。
ここでも、
面接数 → 次の選考へ進んだ数
を確認すると、自分の転職活動の状況を把握しやすくなります。
もし書類選考は比較的通るのに、一次面接で多く落ちているなら、応募数をただ増やすよりも面接対策を見直したほうがよい可能性があります。
内定まで進むには複数社への応募が必要になることがある
dodaは、同サービス利用者の書類通過率と一次面接通過率をもとにした数字上の試算として、1社以上の内定を得るには5社の面接、そのためには27社の応募が必要と説明しています。doda
ただし、これはあくまで同サービスの通過率を使った試算です。
実際の転職選考では、一次面接の後に二次面接や最終面接などが設定されることもあります。そのため、27社応募すれば必ず内定が出るという意味ではありません。doda自身も、内定までに必要な応募社数はさらに多くなる場合があると説明しています。doda
ここで重要なのは、27社という数字を目標にすることではありません。
応募から内定までには複数の選考段階があるため、ある程度の複数応募が必要になることがある
という構造を理解することです。
通過率は企業・職種・経験によって変わる
書類通過率や面接通過率は、すべての人に同じではありません。
たとえば経験者採用で、
- 求められる経験がある
- 職務経歴が求人内容と合っている
- 応募条件を満たしている
という場合は、選考が進みやすい可能性があります。
一方で未経験転職の場合、経験者を想定した求人では書類選考から苦戦することもあります。
また、同じ人でも応募する求人によって通過率は変わります。
だからこそ、
「平均31.9社だから自分も31.9社」
ではなく、
「自分は今、どの段階で選考が止まっているのか」
を確認することが重要です。

年代別に見る「何社受ける?」の考え方
「20代なら○社、30代なら○社」のように年代だけで応募数を決めることはおすすめしません。
年代によって経験や求人の選択肢が変わる傾向はありますが、実際の応募数は一人ひとり異なります。
ここでは、年代ごとの特徴を踏まえながら、応募数を考えるときの視点を整理します。
20代は応募数より経験とのマッチングも重視する
20代は、これまでの経験年数が短い分、応募先によっては「ポテンシャル」や今後の成長可能性を含めて評価されることがあります。
一方で、未経験職種への転職を目指す場合などは、求人との接点を説明する必要があります。
そのため、20代だから応募数を増やすのではなく、
- これまで何を経験したか
- どんなスキルを持っているか
- 応募先でどう活かせるか
- なぜその仕事へ移りたいのか
を整理しましょう。
特に初めての転職では、応募数だけを気にするより、自分の経験をどの求人につなげられるかを知ることが重要です。
30代は経験・専門性・希望条件によって差が出やすい
30代になると、これまでの経験や専門性が応募先とのマッチングに影響しやすくなります。
たとえば、特定の業務経験や資格、マネジメント経験などを求める求人では、経験が合えば応募対象を絞りやすい場合があります。
一方で、
- 年収を大きく上げたい
- 未経験職種へ転向したい
- 働き方を大きく変えたい
- 特定の勤務地に限定したい
など、希望条件が多くなるほど求人の選択肢が狭くなる可能性があります。
30代だから何社というより、自分の経験と希望条件の組み合わせから応募対象を考えることが大切です。
40代は経験を活かせる求人を見極めることが重要
40代では、これまでの経験をどのように応募先で活かせるかが重要になります。
特に経験者採用では、
「何でもいいから応募する」
というより、
「自分の経験が評価される求人はどこか」
を見極めることが大切です。
応募条件を確認し、
- 業界経験
- 職種経験
- マネジメント経験
- 専門スキル
- 業務上の実績
などとの接点を整理しましょう。
応募数を増やしても、自分の経験と求人の要求が合っていなければ、書類通過につながりにくい可能性があります。
50代は応募数だけでなく求人条件との適合度を見る
50代の場合も、年代だけで応募社数を決めるべきではありません。
これまでの経験を評価する求人を探しながら、求人側が求めている役割と自分の経験が合っているかを確認する必要があります。
たとえば、
「管理職経験があるから管理職なら何でも応募する」
ではなく、
「自分が経験してきた業界・業務・マネジメント経験をどのような企業が求めているか」
という視点で探します。
応募数が少ない場合も、単純に応募を増やす前に、求人の探し方や条件設定が適切かを確認しましょう。
年代だけで応募社数を決めない
ここまで年代別に考えましたが、重要なのは年代を応募数のルールにしないことです。
同じ30代でも、
- 専門性が高い人
- 未経験分野へ転向する人
- 管理職を目指す人
- 年収アップを最優先する人
- 働き方を重視する人
では、応募できる求人が違います。
したがって、「30代だから20社」などと決めるのではなく、経験・希望条件・求人とのマッチ度を基準にするほうが、自分に合った応募戦略を作りやすくなります。
在職中・離職中では何社受ける?
応募社数を考えるときは、現在の働き方も重要です。
特に在職中の場合、応募できる社数は「求人が何件あるか」だけではなく、「選考準備にどれだけ時間を使えるか」に左右されます。
在職中は転職活動に使える時間を基準にする
在職中の転職活動では、
- 求人探し
- 応募
- 書類作成
- 企業研究
- 面接準備
- 面接日程の調整
を仕事と並行して行います。
そのため、応募数を増やしすぎると負担が大きくなります。
たとえば平日にほとんど時間が取れない人と、リモートワークなどで比較的時間を作りやすい人では、無理なく進められる選考数は違います。
在職中なら、
「何社応募できるか」より「何社ならきちんと選考準備までできるか」
を基準にしましょう。
離職中は応募数を増やしやすいが焦りに注意
離職中は、仕事との両立がないため転職活動に使える時間を増やしやすくなります。
そのため、在職中よりも求人探しや応募、面接に時間を使えるでしょう。
ただし、時間があるからといって無制限に応募すればよいわけではありません。
離職中は、
「早く仕事を決めなければ」
という焦りから、転職軸に合わない求人まで応募してしまうことがあります。
応募数を増やすときほど、
「なぜこの会社に応募するのか」
を確認しましょう。
在職中は面接日程の重複を避ける
複数社に応募すると、面接日程の調整も重要になります。
在職中の場合、勤務時間と面接時間が重なる可能性があるためです。
複数社の選考を同時に進めるなら、
- 面接予定日
- 面接形式
- 次回選考の予定
- 結果連絡の時期
- 自分が準備すべき内容
を一覧で管理すると、選考漏れを防ぎやすくなります。
応募社数そのものより、現在進行している選考を管理できる状態かを確認しましょう。
離職中は生活費と転職期限も考慮する
離職中の場合は、転職活動に使える時間だけでなく、生活面も考える必要があります。
転職活動が長引けば、その分だけ生活費などの負担が続きます。
だからといって、焦って転職先を決める必要があるわけではありません。
ただし、
- いつまでに転職したいのか
- 生活面でどの程度の期間を確保できるのか
- 希望条件をどこまで維持するのか
は事前に整理しておきましょう。
転職活動の期限がある場合は、そこから逆算して応募ペースを調整します。
「何社応募できるか」から逆算する
在職中でも離職中でも、応募数は「理想の数字」ではなく「現実的に管理できる量」から考えられます。
たとえば、
- 1週間に何時間転職活動に使えるか
- その時間で何社の求人を確認できるか
- 書類通過後の企業研究にどれくらい時間が必要か
- 面接が重なっても対応できるか
を考えます。
こうすると、
「平均何社か」ではなく「自分は何社なら質を保って進められるか」
という考え方に変わります。
未経験転職なら何社受ける?
未経験分野への転職では、経験者向けの転職とは少し違う考え方が必要です。
応募数を増やすだけでなく、「なぜ自分がその仕事に挑戦できるのか」を求人ごとに考える必要があります。
未経験転職では経験者向け求人より応募対象が狭くなることがある
「未経験歓迎」と書かれている求人でも、誰でも同じ条件で採用されるとは限りません。
企業によって、
- 業界未経験なら可
- 職種未経験なら可
- 社会人経験があれば可
- 特定の経験があれば歓迎
など、求める条件が違います。
そのため、「未経験可」という言葉だけで求人を選ぶのではなく、自分の経験との接点を確認しましょう。
「未経験可」だけでなくポータブルスキルとの接点を見る
未経験職種へ転職するときに活用できるのが、ポータブルスキルです。
ポータブルスキルとは、特定の会社だけではなく、別の仕事でも活かしやすい能力のことです。
たとえば、
- 顧客との折衝
- 課題の整理
- スケジュール管理
- チームでの業務
- 業務改善
- 数値管理
- 資料作成
などがあります。
職種が変わっても共通して使える経験があれば、応募先との接点として説明できます。
応募数を増やす前に求人条件を見直す
未経験転職で書類選考がほとんど通らない場合、
「もっと応募しなければ」
と考えるかもしれません。
しかし、応募数を増やす前に確認したいことがあります。
それは、応募先の条件が自分の経験と離れすぎていないかです。
たとえば、実務経験3年以上が事実上必要な求人へ未経験で応募し続けても、書類選考で止まる可能性があります。
「未経験歓迎」「ポテンシャル採用」など、現在の経験から挑戦可能な求人を探すことも重要です。
書類通過率が低い場合は応募書類を改善する
未経験転職で書類通過率が低い場合は、応募数だけでなく書類の内容も確認しましょう。
特に、
- 志望理由が応募先ごとに整理されているか
- これまでの経験が応募先でどう活かせるか
- 未経験分野を志望する理由が説明できているか
- 求人の仕事内容を理解しているか
を確認します。
応募数を増やしても、書類の内容が求人と合っていなければ結果が変わらないことがあります。
転職で複数社に応募するメリット
転職では、複数社に応募することで得られるメリットがあります。
ただし、複数応募そのものが目的ではありません。
内定獲得の可能性を高めやすい
複数社に応募すると、選考を受ける機会そのものを増やせます。
1社だけに応募した場合、その企業の選考結果が転職活動全体の結果になります。
一方で複数社に応募していれば、
- A社は書類不合格
- B社は一次面接
- C社は最終面接
のように、複数の選択肢を持ちながら活動できます。
内定までには複数の選考段階があるため、複数応募によって選考機会を確保することには意味があります。
複数の企業を比較できる
複数社を受けるもう一つのメリットは、転職先を比較できることです。
たとえば、
| 比較項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 年収 | 高い | 標準的 |
| 働き方 | 出社中心 | 柔軟 |
| 業務内容 | 希望に近い | やや異なる |
| 将来性 | 判断材料が多い | 不明点がある |
のように、選考を受けることで求人票だけでは分からなかった違いが見えてくることがあります。
転職は「内定を取れば終わり」ではありません。
複数の選択肢から、自分に合う会社を選ぶことも重要です。
企業ごとの選考結果から自分の市場評価を確認できる
複数社へ応募すると、自分の経験が市場でどのように評価されるかを考える材料も増えます。
たとえば、
- 書類選考は複数社で通過する
- 一次面接で落ちることが多い
- 特定の業界では選考が進む
- 希望年収が高い求人では通過しにくい
といった傾向が見えてくることがあります。
これは「自分の価値」を一つの数字で決めるものではありません。
むしろ、求人とのマッチングを調整するための情報として使います。
1社に依存するリスクを減らせる
1社だけを受けていると、その企業が不採用になったとき、転職活動が振り出しに戻ります。
もちろん、本当に行きたい会社が1社だけなら、その会社を受けること自体に問題はありません。
ただし、
「第一志望だから、他社には応募しない」
と最初から決めてしまうと、比較材料を持てなくなることがあります。
複数社へ応募しておけば、選考結果を比較しながら次の判断ができます。
面接経験を積める
複数社の面接を経験すると、自分の伝え方を改善する機会も増えます。
最初の面接ではうまく答えられなかった質問に、次の面接では答えられるようになることもあります。
ただし、面接経験を積むためだけに、転職軸と関係のない企業へ大量応募するのはおすすめしません。
あくまで、自分が実際に転職候補として考えられる企業の選考を通じて経験を積むことが大切です。
転職で応募しすぎているサイン
応募数が多いこと自体が悪いわけではありません。
問題は、応募数が増えたことで選考の質や管理に支障が出ている場合です。
応募した企業の仕事内容を把握できていない
面接直前になって、
「この会社は何をしている会社だっけ?」
となるなら、応募数が自分の管理能力を超えている可能性があります。
複数社へ応募する場合でも、応募先の仕事内容や求人条件は最低限把握しておきましょう。
志望動機が企業ごとに作れていない
企業名だけを入れ替えたような志望動機になっている場合も注意が必要です。
企業ごとの違いを理解できていなければ、面接でも回答が抽象的になりやすくなります。
応募社数を増やすことより、応募先ごとに「なぜこの会社なのか」を説明できる状態を優先しましょう。
面接準備が追いついていない
面接が連続すると、
- 企業研究
- 想定質問
- 志望動機
- 自己PR
- 逆質問
などの準備が間に合わなくなることがあります。
在職中の場合は特に注意が必要です。
面接予定が集中しているなら、新しい応募を一時的に減らして、現在の選考に集中する判断もできます。
転職軸に合わない企業まで応募している
応募数を増やすことが目的になると、
「とりあえず応募しておこう」
という状態になりやすくなります。
しかし、内定を取ったとしても、自分の転職理由や希望条件に合っていなければ、入社を決める段階で迷います。
応募前に、
「この会社から内定をもらったら、本当に転職先として検討するか」
と考えてみましょう。
答えが明確に「しない」なら、応募する必要性は低いかもしれません。
選考スケジュールを管理できなくなっている
複数社に応募すると、
- 面接日
- 面接時間
- オンライン・対面
- 担当者
- 選考段階
- 結果
- 次回対応
などの管理が必要になります。
これらを把握できなくなってきたら、応募ペースを落とすタイミングです。
応募数は多ければ多いほどよいのではなく、自分が管理できる範囲で増やすことが重要です。
転職で応募数が少なすぎる可能性があるサイン
「応募しすぎ」に注意する一方で、応募数が少なすぎることで転職活動が長引くケースもあります。
ただし、応募数が少ないこと自体が問題なのではありません。
大切なのは、なぜ応募が少ないのかです。
1社落ちただけで応募を止めている
1社の選考結果だけを見て、
「自分は転職できないのでは?」
と判断する必要はありません。
採用選考は企業ごとの判断です。
経験やスキルが合わなかった、募集枠が限られていた、他の候補者との比較で決まったなど、理由はさまざまです。
1社不採用になったからといって、応募を止めるのではなく、他の求人も並行して検討しましょう。
応募条件を厳しくしすぎている
応募先を探しているのに、
- 年収は現在より必ず上げたい
- 完全リモートでなければ嫌
- 残業は一切したくない
- 通勤時間は○分以内
- 業界は絶対に変えない
など、条件を増やしすぎると応募できる求人が少なくなることがあります。
もちろん、譲れない条件を無理に妥協する必要はありません。
ただし、
絶対に譲れない条件と、できれば満たしたい条件を分ける
ことは重要です。
求人を見ても応募する判断ができない
求人を何件見ても、
「もう少し良い求人があるかもしれない」
と考えて応募できない場合もあります。
これは求人選びに慎重になりすぎている状態かもしれません。
応募段階で「この会社に絶対入社したい」と確定させる必要はありません。
選考を受けることで、求人票だけでは分からない情報を確認できます。
もちろん、転職軸に合わない求人まで応募する必要はありませんが、条件を満たしている求人については、選考を受けながら比較するという方法もあります。
「本当に行きたい1社」だけに絞っている
第一志望の企業があることは悪いことではありません。
むしろ、明確な志望先があることは転職活動の軸になります。
ただし、その1社だけに依存すると、不採用になった場合に転職活動を最初からやり直すことになります。
第一志望を大切にしながら、比較対象となる企業にも応募しておくと、より冷静に判断しやすくなります。
数週間応募していない状態が続いている
転職活動を始めたものの、
「求人を探すだけで応募しない」
という状態が数週間続いているなら、一度原因を整理しましょう。
たとえば、
- 転職軸が決まっていない
- 希望条件が厳しすぎる
- 求人の探し方が分からない
- 応募書類に自信がない
- 転職するかどうか自体を迷っている
など、原因によって対処方法が変わります。
応募数を無理に増やす前に、応募できない理由を特定することが先です。

自分は何社受ける?応募数を決める5つの判断基準
ここまでの内容を踏まえると、「結局、自分は何社受ければいいの?」という疑問が残るでしょう。
ここでは、応募数を決めるときに使える5つの判断基準を紹介します。
①転職理由と転職期限
最初に確認したいのが、なぜ転職するのかです。
たとえば、
- 年収を上げたい
- 働き方を変えたい
- キャリアチェンジしたい
- 今の会社では経験できない仕事をしたい
- ライフステージの変化に合わせたい
など、転職理由によって応募先の選び方が変わります。
さらに、「いつまでに転職したいか」も考えましょう。
期限が決まっているなら、その期間内にどれくらいの選考機会を作る必要があるかを逆算できます。
②希望条件の厳しさ
希望条件が多いほど、応募できる求人は少なくなる可能性があります。
たとえば、
「年収アップ+完全リモート+特定業界+特定職種+残業少なめ」
と条件を重ねるほど、対象求人は絞られます。
そこで、
Must=譲れない条件
と
Want=できれば満たしたい条件
に分けてみましょう。
条件を整理することで、「応募できる求人が少ない」のか、「自分で応募対象を狭めている」のかが見えやすくなります。
③経験・スキルと求人のマッチ度
次に見るのが、求人と自分の経験との距離です。
経験やスキルが求人の要件とよく合っているなら、応募先を絞りながら進める方法もあります。
一方、未経験職種への転職などでは、応募対象が狭くなりやすいため、一定の応募数を確保する必要が出てくる場合があります。
ただし、ここでも「とにかく応募数を増やす」のではありません。
求人を見ながら、
「この仕事なら、これまでの経験をこう活かせる」
という接点を探しましょう。
④在職中か離職中か
在職中なら、仕事と転職活動を並行する必要があります。
そのため、面接が集中したときにも対応できる応募ペースにする必要があります。
一方、離職中なら転職活動に多くの時間を使えます。
ただし、離職中は転職期限や生活面の事情も考慮する必要があります。
つまり、同じ応募社数でも、置かれている状況によって負担は変わります。
⑤現在の選考通過率
最後に確認したいのが、実際の選考結果です。
たとえば、
| 状況 | 考えたいこと |
|---|---|
| 書類がほとんど通らない | 求人選び・応募書類を見直す |
| 書類は通るが面接で落ちる | 面接対策を見直す |
| 最終面接まで進む | 応募数を急激に増やさず選考を進める |
| 複数社から内定 | 比較して転職先を決める |
| 応募しても反応がない | 求人とのマッチ度や応募方法を再確認する |
このように、応募数は固定するのではなく、選考結果を見ながら調整するのがおすすめです。
応募数ではなく「選考状況」を見て応募戦略を調整する
転職活動では、「現在何社応募しているか」だけを記録するのでは不十分です。
選考段階ごとの状況を確認しましょう。
書類がほとんど通らない場合
複数社へ応募しているのに書類選考がほとんど通らない場合、応募数を増やす前に原因を確認します。
考えられるのは、
- 求人の応募条件と経験が合っていない
- 職務経歴書で経験を伝えきれていない
- 志望理由が応募先と合っていない
- 希望条件を狭く設定しすぎている
などです。
この場合は、
応募数を増やす → さらに落ちる
という状態になる可能性があります。
まずは応募先と応募書類を見直しましょう。
書類は通るが面接で落ちる場合
書類選考を通過するのに、一次面接以降で落ちるなら、求人との基本的なマッチ度は一定程度あると考えられます。
この場合は、
- 転職理由の説明
- 志望動機
- 自己PR
- 経験の伝え方
- 企業研究
- 質問への回答
などを見直すとよいでしょう。
応募数を増やすより、面接で何が伝わっていないのかを考えることが先になる場合があります。
最終面接まで進むが内定にならない場合
最終面接まで進んでいるなら、少なくとも書類や一次面接の段階では評価されていることになります。
この場合は、
- 志望度の伝え方
- 入社後のイメージ
- 経験と企業のニーズとの接点
- 他候補者との比較
など、最終段階で確認されるポイントを振り返ります。
もちろん最終面接は企業側の判断なので、不採用になった理由を正確に把握できるとは限りません。
だからこそ、1社の結果だけで判断せず、複数の選考結果から傾向を見ることが重要です。
複数社から内定が出ている場合
複数社から内定が出たら、応募数を増やす段階から比較・意思決定の段階へ移ります。
たとえば、
- 年収
- 業務内容
- 働き方
- キャリア
- 企業の将来性
- 福利厚生
- 通勤
- 休日
などを比較します。
求人票だけで判断せず、面接で得た情報も含めて考えましょう。
「内定が出たから一番条件が良い会社」という単純な決め方ではなく、自分の転職理由を最も満たしている会社はどこかを考えることが大切です。
何社応募しても反応がない場合
応募しても書類選考すら進まない場合は、応募数を増やし続ける前に一度立ち止まりましょう。
確認したいのは、
- 求人の応募条件
- 自分の経験
- 職務経歴書
- 志望理由
- 希望条件
です。
たとえば、経験者を求める求人に未経験で応募しているなら、求人選びを変える必要があります。
一方、求人とのマッチ度は高いのに書類で落ちているなら、応募書類の改善が優先かもしれません。
このように、選考結果は次の応募戦略を調整するためのデータとして活用できます。
30代で約50社応募した経験から考える「何社受けるか」
ここでは、筆者自身の29〜30歳の転職経験を紹介します。
重要なのは、「約50社応募したから50社が正解」という話ではありません。
むしろ、実際の転職活動を振り返ることで、応募社数と選考の進め方を分けて考える重要性が分かります。
29歳〜30歳の転職で約50社に応募した経験
筆者は29歳から30歳にかけての転職活動で、約50社に応募しました。
転職理由は、ライフステージが変わったことです。
転職先を選ぶときは、
- 給与
- ライフワークバランス
- 企業が将来的に生き残っていけるか
などを重視しました。
一方で、通勤時間は転職軸から外していました。
転職活動は約4か月間です。
最初の約2か月半はキャリアアドバイザーのような職種を志望していましたが、途中から製造業でスキルを高める方向へ転換しました。
最終的には、製造業で「ここ」と決めた企業から内定を得て入社しています。
内定通知書などを確認しても大きな違和感はなく、転職軸との相違もなかったため、入社を決めました。
なぜ多くの企業へ応募する必要があったのか
約50社に応募した背景には、単純に「できるだけ多く応募しよう」と考えていたわけではありません。
当時は未経験の分野へ飛び込もうとしており、最初は求人を見ても比較する材料や経験が十分にありませんでした。
そのため、探りながら求人を見て、実際の選考を経験しながら自分に合う方向を考えていきました。
最初の約2か月半はキャリアアドバイザーのような職種を志望し、その分野では4社の面接を経験しました。
しかし、いずれも面接までで、内定には至りませんでした。
その後、製造業でスキルを高める方向へ軸を変更。
最終的には、自分の転職軸に合うと判断した企業に内定し、入社しました。
この経験から分かるのは、応募数が増えた背景には、転職活動の途中で方向性を調整したこともあったということです。
実際にどの段階で選考が進んだのか
約50社の応募に対して、本人から確認できている選考結果は以下のとおりです。
- 応募:約50社
- 面接:5社
- 最終面接:1社
- 内定:1社
ここから「約50社応募すれば1社内定する」と考えることはできません。
これはあくまで一人の転職活動の結果だからです。
また、応募した約50社すべてについて、細かな書類選考結果を記録した数字が確認できているわけではありません。
だからこそ、経験談から数字だけを切り取って一般化するのではなく、どのような状況で、どのように応募を進めたのかを見ることが重要です。
応募数を増やして感じたメリット
転職活動中は、毎日のように応募した企業の書類選考結果を確認していました。
多いときは、転職エージェントから一度に紹介された求人のうち、気になったものを5社ほど応募することもありました。
一方で、少ないときには1〜2週間ほど応募しない期間もありました。
これは、エージェントから紹介された求人を一通り確認して応募した後などです。
つまり、毎日一定数を機械的に応募していたわけではありません。
選考状況を見ながら、
「次に応募する求人を探す」
「今進んでいる選考の準備をする」
という形で活動していました。
複数社に応募していたことで、1社の結果だけを待ち続ける状態を避けられたことはメリットでした。
一方で、応募数が増えることで大変だったこと
大変だったのは、応募した企業の数そのものよりも、書類選考を通過した後の準備でした。
未経験分野への転職だったため、最初は求人を見ても比較する材料や経験が十分にありませんでした。
書類選考が通った企業については、そこから企業サイトや口コミなどを確認し、企業ごとの特徴を調べました。
さらに、企業が打ち出している強みと、自分の経験の中で接点があるエピソードを思い出しながら、面接で話す内容を準備していました。
働きながらの転職活動だったこともあり、必要な準備を自分で考え、必要に応じてエージェントに相談するという進め方でした。
エージェントの担当者に面接前の原稿をチェックしてもらったり、練習したりすることもありました。
つまり、応募数が約50社になったこと以上に、
仕事をしながら、企業ごとに必要な準備を積み重ねること
が負担だったと振り返れます。
この経験から考える「応募数より大切なこと」
この経験から感じたのは、応募数そのものよりも、選考状況に応じて時間の使い方を変えることの重要性です。
転職活動中は、常に2社程度の選考結果を気にしながら、1〜2週間後の面接に備えるような状態でした。
応募するタイミングも一定ではありません。
多いときは複数社に応募し、選考準備が必要なときは新しい応募を止める。
このように、
「応募→結果確認→選考準備→次の応募」
を繰り返していました。
だからこそ、この約50社という数字を読者がそのまま目標にする必要はありません。
むしろ参考にしてほしいのは、
応募数を固定するのではなく、自分の選考状況と使える時間に合わせて応募ペースを変える
という考え方です。
転職で何社受けるか迷ったら、まずは応募戦略を設計しよう
ここまで紹介したように、「転職では何社受けるべきか」に固定された正解はありません。
参考になる数字はあります。
しかし、最終的には自分の状況に合わせて判断する必要があります。
平均は参考値として使う
dodaの最新データでは、内定を得た人の平均応募社数は31.9社でした。
また、94.9%が2社以上、66.4%が11社以上に応募しています。(doda.jp)
これらの数字から、「転職では複数社に応募する人が多い」と知ることはできます。
一方で、31.9社を自分の目標にする必要はありません。
平均値は、あくまで自分の状況を考えるための参考情報です。
応募社数と同時進行数を分ける
次に重要なのが、
累計で何社応募したか
と
現在何社の選考を進めているか
を分けて考えることです。
応募社数が多くても、書類選考で不合格になれば、面接準備が必要な企業は限られます。
逆に応募社数が少なくても、複数社が面接段階に進めば、準備の負担は大きくなります。
応募数を考えるときは、この2つを別々に管理しましょう。
選考通過率を見ながら応募数を調整する
応募数は、最初に決めて終わりではありません。
たとえば、
書類が通らない
→ 求人選び・応募書類を見直す
書類は通るが面接で落ちる
→ 面接対策を見直す
最終面接まで進む
→ 応募数を急激に増やさず、選考準備を優先する
というように、選考結果に応じて戦略を変えます。
これなら、「平均より少ないからもっと応募しなければ」という数字だけの判断を避けられます。
自分の転職理由・条件・時間から応募ペースを決める
応募数を決めるときは、次の5つを一度整理してみましょう。
- なぜ転職したいのか
- いつ頃までに転職したいのか
- どの条件を譲れないと考えているのか
- 自分の経験が活かせる求人はどれくらいあるのか
- 仕事と並行してどれくらい時間を使えるのか
ここまで整理すると、「自分は何社くらいなら無理なく応募できるか」が見えやすくなります。
複数社を比較して納得できる転職先を選ぶ
転職活動の目的は、「できるだけ多く応募すること」ではありません。
また、「最も早く内定を取ること」だけでもありません。
最終的な目的は、自分が納得できる転職先を選ぶことです。
複数社へ応募することで、仕事内容や給与、働き方、企業の将来性などを比較できます。
一方で、応募しすぎれば準備の負担が増えます。
だからこそ、
応募は広く、選考対策は重点的に。
そして、
平均ではなく、自分の状況から応募数を設計する。
この考え方が、転職活動を進めるうえで重要です。
「転職の設計室」が大切にしているのも、まさにこの考え方です。
転職に「何社応募すれば正解」という数字はありません。
31.9社という平均を知ったうえで、自分の転職理由、希望条件、経験、在職状況、使える時間、そして実際の選考結果を材料にして、自分なりの応募戦略を決めていきましょう。
FAQ
転職では平均何社くらい応募しますか?
dodaの2025年4月〜2026年3月のデータでは、dodaエージェントサービスを利用して内定を得た人の平均応募社数は31.9社でした。ただし、これはdoda利用者かつ転職成功者を対象とした数字なので、すべての転職者に当てはまる平均ではありません。
転職で31.9社応募しないと内定はもらえませんか?
いいえ。31.9社はあくまで特定の母集団における平均値です。経験、希望条件、応募先とのマッチ度、選考通過率などによって必要な応募数は変わります。
転職では1社ずつ応募するより複数社に応募したほうがいいですか?
複数社に応募すると、選考機会を確保しながら企業を比較できるメリットがあります。ただし、同時進行が多すぎると企業研究や面接準備が追いつかなくなるため、管理できる範囲にすることが重要です。
転職で何社を同時進行すればいいですか?
一律の正解はありません。在職中か離職中か、面接準備にどれくらい時間を使えるかによって変わります。「現在何社選考中か」と「累計何社応募したか」を分けて管理すると判断しやすくなります。
転職で10社応募して全部落ちるのは珍しいですか?
複数社に応募してもすべての選考が進むとは限りません。重要なのは、不採用になった社数だけではなく、書類・一次面接・最終面接のどの段階で選考が止まっているかを確認することです。
転職で応募しすぎかどうかはどう判断しますか?
応募した企業の仕事内容を把握できない、企業ごとの志望動機を準備できない、面接対策が追いつかない、選考スケジュールを管理できない、といった状態なら応募ペースを落とすことを検討しましょう。
転職で応募数が少なすぎるサインはありますか?
1社不採用になっただけで応募を止める、求人を見ても応募する判断ができない、希望条件を厳しくしすぎている、数週間応募していない状態が続く、といった場合は応募戦略を見直す余地があります。
未経験転職では何社くらい応募すればいいですか?
未経験転職でも決まった社数はありません。応募数だけを増やすのではなく、未経験可の求人か、これまでの経験やポータブルスキルとの接点があるかを確認しましょう。
40代・50代は若い世代より多く応募したほうがいいですか?
年代だけで応募数を決める必要はありません。これまでの経験や専門性を評価してもらえる求人とのマッチ度を確認し、自分の条件に合う求人へ応募することが重要です。
転職で何社応募しても書類に通りません。応募数を増やすべきですか?
まず応募数を増やす前に、求人とのマッチ度や職務経歴書の内容を確認しましょう。書類選考で止まっている場合は、応募先の選び方や応募書類を改善することで状況が変わる可能性があります。

